医師にも働き方改革を! 厚生労働省が資料を公開
多くのテレビドラマで、医師の長時間労働が描かれていることから
一般の方にもそのイメージは定着していると思います。
特に患者の容態によっては、帰宅せずに病院に宿泊して
いつでも対応できるようにする場面は多く
「ありがたい」と思うとともに、「大変な仕事だな」と思う方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省より、医師の働き方に関する検討会の資料が公開されました。
なぜ今医師の働き方改革が必要なのか
資料によると以下の様な内容が見られます。
長時間労働は、健康の確保だけでなく、仕事と家庭生活との両立を困難にし、少子化の原因や、女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参加を阻む原因として、その是正を目指している。
医師は、医師である前に、一人の人間であり、長時間労働によ 2 る健康への影響が懸念される。実際に、医師が過労死したり、健康を害したりするケースが起きている。
医師の働き方は、国民の医療ニーズに応ずるものである点で、その改革には個々の労使間の対応だけでなく「社会全体としてどのように考える か」という観点が不可欠である。
激務をこなす医師は患者からの要望に対して「高い医療を提供したい」という崇高な志からエスカレートをしており、個人の価値観に依存してしまうため、より過度になってしまう部分もあるのかもしれません。
そのため、改革には業界全体の意識改革が必要になり、また提供する患者にも理解を求める必要があるため、他の業種に比べると浸透しづらい側面があるように感じました。
時間外労働規制の在り方についての今後の検討に関する論点
医師についても、脳・心臓疾患の労災認定基準である1か月 100 時間・ 2~6か月の各月平均で 80 時間という時間外労働時間の水準を超えるような上限時間とすることは慎重であるべきではないか。
実態を踏まえつつも、現状の働き方をそのままに法律や制度を合わせるのではなく、現状を変えていくことや長時間労働をできるだけ短くする方向に向かうことを前提に議論すべきではないか。
医師においても非常に多様な働き方があることや将来の医師の働き方を見据えれば、時間給でない制度等の新たな労働時間制度の検討も必要ではないか。
健康確保に当たっては睡眠時間の確保が重要なのではないか。最も適正 な必要睡眠時間は欧米で成人が最低7時間程度、日本の指針ではもう少 し短い(6時間以上8時間未満)とされている。
日中の睡眠と夜間の睡眠における睡眠の質の違いを踏まえると、できる だけ夜間の睡眠を確保できる勤務体制がとれることが望ましいのではないか。
など、健康を提唱する医師が置かれている環境の難しさを感じることができます。
長時間労働が定着化している業界のひとつである、医療の現場。
話し合いが進み、改善されることを方法を模索することはとても重要になってくると感じました。